2014年1月23日木曜日

未成年者の飲酒喫煙

司法書士の岡川です。

西武ライオンズの相内という選手が、未成年でありながら飲酒喫煙をしたということで球団から処分を受けたようです。
あまりプロ野球に興味がないので、当然この選手のことも全く知らないのですが、未成年が飲酒喫煙をした場合、

未成年者飲酒禁止法
未成年者喫煙禁止法

という法律に違反します。

ただし、これらの法律は、未成年者に対して「飲酒してはいけない」「喫煙してはいけない」と規定するだけで、それに違反して飲酒喫煙することが犯罪だとは規定していません。
なぜなら、未成年者の飲酒や喫煙を禁止するのは、結局、禁止することでその未成年者自身を保護することが目的だからです。
保護される対象を処罰するのは、背理ですからね。

そのかわり、「未成年者の保護」のための規定がいくつかあります。

まず、未成年者が持っていた酒や煙草は没収することができます。
この没収は、刑罰としての没収(刑法19条)ではなく、行政処分としての没収です。
また、未成年者自身ではなく、未成年者に酒や煙草を販売したり、親権者などが飲酒喫煙を制止しなかった場合、そのことが犯罪となります。
飲酒することが犯罪なのではなく、周りの大人が飲酒させる(黙認する)ことが犯罪だということですね。


ところで、未成年の芸能人やらスポーツ選手が飲酒喫煙して謝罪、というのはしばしば見かける光景です。

上記の通り、飲酒喫煙の“被害者”は自分自身なので、本来は誰かに何かを謝ることでもないのですが、法律に違反する行為を行ったという事実が、所属する組織(球団、事務所、学校など)のイメージを損ねたりするわけで、そういう意味で、関係者に迷惑をかけることになります。

それに対する謝罪なんでしょうね。たぶん。


そういうわけで、飲酒喫煙は、マスコミで報道するほど“(私も含め)世間一般に対して”は、何の迷惑もかけていません。
なので、個人的には、反省して関係者に謝罪したらそれで終わり、でいいと思うんですけども、この選手、1年ちょっと前に無免許運転+スピード違反で捕まっているらしく、これらの道路交通法違反は、他人に迷惑をかける行為なので、飲酒喫煙よりもこっちの方がよっぽど重大です。


飲酒について自制ができない + 交通法規が遵守できない = 飲酒運転

という、死亡事故につながる最悪の組み合わせですので、周りの大人は、今のうちにきちんと指導教育してくださいませ。


では、今日はこの辺で。


この記事が「面白い」「役に立つ」「いいね!」「このネタをパクってしまおう」と思ったら、クリックなどしていただけると励みになります。
↓↓↓↓↓

※ブログの右上に、他のランキングのボタンもあります。それぞれ1日1回クリックできます。

0 件のコメント:

コメントを投稿