2014年1月28日火曜日

後法優先の原則

司法書士の岡川です。

今日は、当たり前すぎて問題になることも少ない原則を紹介します。

例えば、「Aは○○することができる」という法律と、「Aは○○することができない」という、相互に矛盾した法律があるとします。
どちらも有効に成立した日本の法律であれば、実際の事案でどちらを適用するかというルールがなければ、混乱が生じてしまいます。

そこで、「後に成立した法律が優先」というルール(「後法は前法を破る」)があります。
後からできた法律は、既に存在する規定を前提に作られたものであるから、既にある法律を修正する趣旨を含むと考えるのが自然だからです。
これを、「後法優先の原則」といいます。

もし「Aは○○することができない」という法律が「Aは○○することができる」という法律より後に成立したものであったとすれば、「Aは○○することができる」という法律が存在するにもかかわらず、Aは○○してはいけない、ということになります。


ただし、この後法優先の原則は、特別法優先の原則が妥当する場面では、適用されません。
つまり、前法が後法の特別法になっているような場合は、一般法である後法より、特別法である前法の方が優先することになります。

何が特別法で何が一般法になるかは明示的に定められているわけではないので、実際に相互に矛盾するような規定が存在した場合、どちらの規定が適用されるのか(つまり、後法優先なのか、それとも特別法たる前法優先なのか)を解釈しなければなりません。


ところで、後法優先の原則のわかり易い例は無いか、ググってみたんですけど、「国家公務員法より地方公務員法が後法なので、地方公務員法が適用される」みたいな説明がありました。
しかし、そもそも両者は適用対象が違うので、前法後法の問題じゃないとおもうんですけど、国家公務員法に地方公務員にも適用される規定があるということでしょうかね?
ちょっとよくわかりません。
ま、調べるのも大変なのでスルーしましょう。


では、今日はこの辺で。


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