2014年4月16日水曜日

養子縁組

司法書士の岡川です。

今日は、知っているようであまり詳しく知らない養子縁組という制度について。

養子縁組とは、実親子関係にない者同士で法律上の親子関係を形成する制度です。
(場合によっては、実親子関係があるのに重ねて養子縁組をすることもあり得ます)

普通養子縁組と特別養子縁組があるのですが、特別養子縁組というのは文字通り少し特別なものなので、手続は厳格に定められています。
家庭裁判所の手続きが必要なのです(長くなるのでまた別の機会に→「特別養子縁組」)。

他方、普通養子縁組をするには、何らかの複雑な手続きとか厳かな儀式をする必要はなく、基本的には 市役所に届出をすればそれで完了です。
婚姻と同じようなものですね。

まあ、それだけの制度なのですが、養子縁組に関して思いついたことをざっと羅列してみましょう。

  • 養親は養子より年上であればよい。なので、「1歳年上の養親」とか、「90歳年下の養子」とかでも何の問題もない。
  • 年下であっても、尊属を養子にすることはできない。たとえば、自分の叔母(傍系尊属)が自分より年下であったとしても、叔母を養子にすることはできない。逆にその叔母を養親にすることもできない(自分が年上なので)。
  • 親族同士で養子縁組も可能。たとえば、弟が兄の養子になることもできる。
  • 未成年者は養親となることができない。
  • いわゆる「婿養子」というのは、必ずしも法律上の養子を意味せず、俗に「妻側の姓を名乗る結婚」のことを指す場合も多い。夫が、結婚するともに、妻の親と養子縁組をすれば養子である。
  •  子のいる相手と再婚した場合、相手の連れ子と自分の間には親子関係は成立しない(妻の子、あるいは夫の子にすぎない)。親子関係を成立させるには、養子縁組が必要。
  • 養子は、ほぼ実子と同じ法的地位にある。養子だからといって、一段下にいるということはないし、養親子間で結婚することもできない。
  • 相続税対策で、孫を大量に養子にしても、必ずしも思い通りの節税にはならない可能性がある。もめる可能性もある。事前に専門家(税金の問題であれば税理士)に相談のこと。
養子縁組自体は難しい手続きではありませんが、縁組することでどのような効果が生じるのかは、事前にきちんと確認しておくのがよいでしょう。

では、今日はこの辺で。


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