2014年6月4日水曜日

取締役や監査役になれる最低年齢

司法書士の岡川です。

実は会社法では、株式会社の役員(取締役等)の欠格事由として「未成年者」というのは規定されていません。
したがって、会社法上、親権者の同意さえあれば取締役になることができます。

しかし、取締役会設置会社以外の会社においては、取締役の就任には、就任承諾書に押した印鑑に係る印鑑証明書が就任登記申請の添付書類となっています。

そうすると、印鑑登録をしていない人は、

印鑑証明書を添付することができない=登記申請ができない=取締役の登記をすることができない

ということになります。

そこで、印鑑登録をできる年齢は何歳かということになりますが、これは市町村によっても異なり、だいたい15~16歳くらいになれば可能となります。
ということは、15~16歳くらいにならなければ、事実上取締役になれないというわけです。

他方、取締役会設置会社の場合、代表取締役の就任登記には印鑑証明書を添付する必要がありますが、単なる取締役の就任登記には印鑑証明書を添付することになっていません。

ということは、取締役会設置会社の平取締役であれば、小学生でも取締役になれるということです(親権者の同意は必要)。

ただしこの場合も、代表取締役を選定した取締役会議事録には原則として出席取締役全員が押印し、その印鑑に係る印鑑証明書を添付する必要があります。
小学生が平取締役になると、ここで代表取締役就任登記が申請できないという問題が生じます。
まあ、この問題は、代表者印を議事録に押印して出席取締役の押印を省略するとか、代表取締役の選任機関を取締役会ではなく株主総会にするとか、小学生は代表取締役選任のための取締役会を欠席してもらうとかで回避できますね。


同じような理屈で、小学生でも監査役に就任することが可能です。
監査役の就任登記には、印鑑証明書の添付が求められていないので。
(同じく、代表取締役選任の取締役会に出席監査役として押印が必要な場面になれば、取締役会を欠席してもらいましょう。)


では、この理屈で、もっと低年齢の、例えば幼稚園児の取締役とか監査役とかも登記できちゃったりする?…となりそうですが、そこまでいくと今度は意思能力が問題となってきますので、さすがに就任することはできません。


さあ、小学生高学年くらいの、企業経営に興味のある皆さん。
明日から取締役会設置会社の平取締役とかに就任してみませんか?

私はオススメしませんけどね!

では、今日はこの辺で。

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