2015年2月18日水曜日

「無資格で登記申請」とは?

司法書士の岡川です。

行政書士が会社設立登記申請業務を行ったとして、司法書士法違反で逮捕されました。

無資格で登記申請・・・行政書士の男を逮捕

警察によると、小野容疑者は司法書士の資格がないにも関わらず、中国人の依頼を受け、去年までの2年半の間に司法書士に認められている会社設立の登記の申請手続きを7件行った疑いがもたれている。

記事にもある通り、会社設立登記に限らず、およそ「登記」の手続は、司法書士の独占業務です。

測量などを要する「不動産の表示登記」に関しては、その専門家である土地家屋調査士の業務範囲となっていますが、少なくとも、行政書士による登記手続が認められることは絶対にありません。


今回の逮捕の主眼は、在留期限を不当に延長させる行為に手を貸したことにあるのでしょうが、どんな目的であろうと、行政書士が登記手続に関与すれば司法書士法違反となります。
たとえ「登記申請を手伝って若者にたくさん起業してもらい、日本の経済を活性化させたい!」という立派な志を持っていたとしても、それは司法書士資格を取ってからしましょうね、という話になるわけです。


「法律で登記申請を認められてないのなら、どうやって登記申請したの?」というと、この手の犯罪をする人たちの典型的な手法は、「本人申請」という形をとります。

司法書士は、登記申請代理人になれますので、申請書に司法書士の名前を書き、押印して登記を申請します。
しかし、司法書士以外が代理人として申請すれば、自分の犯罪を堂々と申告しているようなものですので、犯罪者は、普通はそんなことはしません。

あくまでも「申請書は本人が作った」ことにして、代理人にもならず、「本人が自分で申請した」という形をとるわけですね。
外見上は、本人が記名押印して、本人が提出しているわけですから、申請は受理されるわけです。


ただし、司法書士法は、登記申請代理だけを独占業務としているわけではなく、司法書士以外が業として「法務局に提出する書類の作成」することを禁じています。
したがって、たとえ本人の名前で申請するとしても、業として書類作成を行えば違法(犯罪)となります。

中には本気で「代理をせずに本人申請なら違反にならない」と考えて、違法行為を繰り返している人もいるかもしれませんが、司法書士法はそこまでザルではありません。

さらに言えば、司法書士法は、その書類作成の「相談に応ずること」から独占業務としていますので、「代理も書類作成もせず、申請書の作り方を教えるだけ」であっても、司法書士法違反になる可能性があります。


ついでに言うと、「タダでサービスでやるだけだから」という言い訳も通用しません。

以前も書きましたが、司法書士法は、有償無償を問わず、無資格者が反復継続して登記手続に関与(代理・書類作成・相談)することを犯罪として規定しています(→「無資格でもタダでやるならいいのか?」)。

司法書士法は、取引の安全を確保するための「登記制度」という厳格な手続に関与する資格を定めたものですので、厳しい規定となっているのです。


なお、「本人申請なら受理される」としても、法務局も、その裏ではきちんとチェックし、定期的に調査していますので、関与している無資格者はある程度把握しています。
バレてないと思っていても、結構バレています。

というか、そもそも「バレなきゃ大丈夫」と考えている時点でダメなんですけどね。


士業というのは、それぞれ業務範囲が決まっています。

皆さんも、違法行為を繰り返している人には関わらないようにしましょう。


あ、ちなみに私は司法書士兼行政書士なので、合法的に登記も許認可申請もできます。
よろしくお願いします(宣伝)。

では、今日はこの辺で。

30 件のコメント:

  1. 人柄がにじみでていますね(笑)まあ、頑張ってください。

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  2. >匿名さん
    ありがとうございます。色々頑張ります!

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  3. 私は全くの素人ですが,先日友人に頼まれて不動産の所有権移転登記を申請しました。
    登記所へは事前に電話で確認したところ,委任状があれば売主と買主の双方を代理して申請して構いませんと言われ,申請書にも申請代理人として私の名前を記入してくださいと言われましたよ。
    他人の依頼をうけても,それが司法書士法違反となるのは「報酬を得て」登記申請の代理をした場合(司法書士法第3条)。
    全くの無報酬なら誰が代理したって良いんですよ。

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    1. 匿名さんの行為が違法でないのは、「業として」やっていないからであって、「全くの無報酬ならだれが代理したって良い」のではありません。

      申請代理人になること自体は、不動産登記法上は、何ら制限はありませんので、手続上、誰でも代理人になることができます(これは、訴訟代理の資格が民事訴訟法上制限されているのと異なります)。

      しかし、「業として」申請代理をすることは司法書士法上の制限があります。
      司法書士法3条をよく読んでいただきたいのですが、「報酬を得て」とは一切書いておりません(ここが行政書士法との違い)。
      ここには、「業とする」と書いてあります。
      そして、73条は、司法書士でない者が3条に規定する業務を行ってはならないと規定されています。

      この「業務」とか「業」(ぎょう)というのは、報酬の有無にかかわらず、「反復継続の意思をもって行うこと」です。
      したがって、全くの無報酬だからといって、「知人のための1回きりの代理」にとどまらず、何度も行ったり、あるいは何度も行うことを前提に1回でも代理すれば、違法となります。

      詳しくは、下記記事に書いてありますので、ご参照ください。
      http://okagawa-office.blogspot.jp/2014/06/blog-post_23.html

      無資格者が無報酬でも「業として」行うと犯罪となりますので、「無報酬なら良い」というのは、「業として」という法律用語の解釈を知らない「素人」がよくする誤解です。

      誤解であっても、法律は「知らなかった」は通用しません(法は、「誤解する方が悪い」と判断します)。
      なので、十分気を付けてください。

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  4. http://www.jibundetouki.com/shitumon/jibunde019.html
    上記のサイトには

    ・司法書士、土地家屋調査士でなくても、報酬を得なければ、他人からの依頼を受けて、
     登記の手続きができる。
    ・自分で登記ができれば、司法書士や土地家屋調査士に依頼する必要はありません。

    と書かれているのですがどちらが正しいのでしょうか?

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    1. 上記のコメントへの返信でも書いたのですが、法律上の「業」という概念は「反復継続する意思を持ってすること」と定義され、有償無償は問いません。

      これは、最高裁判例でもありますので、興味があれば最判昭和39年12月11日集刑153号647頁を参照。

      そして、弁護士法や行政書士法と違い、司法書士法や土地家屋調査士法には、さらに「報酬を得て」といった要件を付加する規定は存在しません。

      したがって、「報酬を得なければ、他人からの依頼を受けて、登記の手続きができる」というのは、典型的な誤解であり、真に受けると処罰される場合もありますのでご注意ください。


      なお、「自分で登記ができれば、司法書士や土地家屋調査士に依頼する必要はありません。」というのはそのとおりです。
      「自分で」登記ができるのであれば、あえて依頼する必要はありません。

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  5. 司法書士試験に合格し、郷里で司法書士事務所を来年当たり開業しようと思っている者です。
    この正月に帰省し、友人(おばちゃん)に相続登記をどうしたのか尋ねると「駅前の登記所に頼んだ」「ん?駅前に登記所なんてないぞ?」と思い確認すると、そこは行政書士の事務所なんです。「え~、いくら田舎とはいえ、地元の人に登記所とまで言わしめている(一般人はよくわからない)のが、ショックで・・・今、このネットを見て、今後、田舎でその行政書士との付き合いをどうしようかと思ってるところです。

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    1. その行政書士が司法書士と提携している可能性はあります。
      その場合、最初の窓口が行政書士でも、司法書士が直接依頼者から依頼を受けて登記申請代理を行っているのであれば、問題はありません。

      しかし、司法書士と業務を分担することなく、行政書士が登記手続にまで関与していた場合は(例えば、相続登記の報酬を行政書士に支払っていたとかいう事情)、司法書士法違反となりますので、地元の司法書士会の非司対応の部署に連絡されるとよいかと思います。

      それとは別に、あなた自身が、その行政書士事務所に代わって「登記所」と呼ばれるくらいに地元で活躍されることを期待いたします。
      独立開業は大変ですが、頑張ってください。

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    2. 早速お返事有難うございます。
      その方は土地家屋調査士も持っているらしくて、表示登記やっている関係で、他の登記もやっていることがあるみたいです。司法書士は近くにない過疎地なので。
       私は行政書士のほか社会福祉士を持っていいるので福祉と連携する等して差別化を図ろうとは思っています。違反を堂々と続けるようでしたら対応も考えます。助言有難うございます。

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  6. 司法書士法では社労士法27条のように「社会保険労務士又は社会保険労務士法人でない者は、他人の求めに応じ報酬を得て~」といった文言は記載されているのでしょうか?少し読んでみた限りですと、特に罰則はないように見受けられたのですが。

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    1. 司法書士法73条に非司行為の禁止、78条に罰則規定があります。

      条文の文言が「でない者(協会を除く。)は」となっており、「でない者は」で条文検索しても見つからないので注意です。

      (なお、「協会」というのは、公共嘱託登記司法書士協会のことです)

      また、社労士法と違って「報酬を得て」という限定はなされていないので、業として(=反復継続する意思を持って)行えば、無報酬でもこの規定に違反することになります。

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    2. おっしゃるとおり「でない者は」で検索しておりました。ありがとうございます。
      わたしもこの非司問題に興味があり、とにかく噛み砕いた記事を書いて、いろいろな方に知ってもらいたかったのですが、内容が合っているか少し不安です。もしお時間ありましたら一読願えないでしょうか。よろしくお願いいたします。http://blog.dododori.com/other/shikaku/shihou-dokusen/

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    3. ブログ拝見しました。
      概ね間違ったことは書かれていないと思いますが、正誤について断定はできませんので、ご了承ください。
      なお、司法書士の業務には、法務局だけでなく、裁判所や検察庁へ提出する書類の作成も含まれていますので、この点はご注意ください。

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    4. お忙しい中ありがとうございます。
      裁判所や検察庁へ提出する書類の作成の部分をもう少しブログ内で触れるようにしてみます。
      この度は本当にありがとうございました。

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  7. 東京で司法書士をしています。ネットでは税理士が設立登記を堂々と宣伝し、0円で受ける事務所もあります。経験豊富な税理士は分別がありますが、若い税理士は非司法書士行為が犯罪との認識が「ない」と見受けられます。先日も税理士より行政書士との登記料を比較されました。開いた口がふさがりません。税理士会には違法行為を取り締まる意志がそもそも存在していないようです。

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    1. 税理士会は非司行為を取り締まる義務も権限もないですからそこは仕方ないかもしれませんが、個々の税理士には、「法務局は全部わかってるよ」と教えてあげると良いかもしれません。
      特に今回紹介した事件で、(少なくとも大阪では)より厳しく非司調査が行われています。
      そもそも、商業登記を行政書士ができないと知らない税理士もいますし、もっと言えば、それを本気で知らない行政書士さえいます。

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  8. 司法書士を目指して勉強中の者です。試験勉強の合間に実務に関する勉強をと思い、いろいろなサイトを閲覧中に先生のHPを拝見いたしました。よろしくお願いいたします。

    >「代理も書類作成もせず、申請書の作り方を教えるだけ」であっても、司法書士法違反になる可能性があります。

    例えば、社会福祉士などが成年後見の申し立て手続きに関する相談援助を行っている例がありますが、それは司法書士法違反にはならないのでしょうか。

    ①http://www.wel-osaka.jp/kouken/contents1.html
    ②http://colorlifesupport.com/social-welfare/

    上記リンク先では業務内容として「手続きの説明や申立てに関するアドバイス等」や「申立手続き支援」などの記載があります。もちろんこの記載だけでは具体的な内容がわかりませんが、「申請書の作り方」に触れずにこれらの業務を行うことは通常考えられないと思うので、極めて司法書士法違反に近い行為だと思うのですが、先生のご見解を頂けましたら幸いです。

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    1. 個別の案件について断定的にコメントするのは差し控えますが・・・。

      大阪市成年後見支援センターは、運営主体は社協(形式的には民間の法人)なのですが、これは行政(大阪市)が社協に委託して行っている事業ですので、まあ基本的には問題ないでしょう。
      (ちなみに、同事業には弁護士や司法書士も関与しております)

      他方、一社会福祉士が後見申立ての書類作成に業として関与しているというのは、微妙な問題でして、社会福祉士は「福祉に関する相談」を業とすることができますので、その限りにおいて成年後見制度の相談に応じることは違法ではありません。
      ただし、具体的な申立手続きの相談に至ると違法性を帯びる可能性が出てきます。
      そこをきっちり区別して相談に応じていれば問題ないと思われます。

      なお、社会福祉士の専門職後見人団体である「ぱあとなあ」の見解としては、下記サイトに載っていますので、ご参照ください。
      https://www.jacsw.or.jp/12_seinenkoken/shokai.html

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  9. 税理士事務所で働き始めたばかりのものです。
    「税理士 登記業務」・・等々と検索していたら、先生のこのページにヒットし、おたずねさせていただく次第です。

    当事務所は、登記業務を司法書士の方を介せず、直接行っています。
    私は一般企業にて少しだけ法務を兼任していたことがあり、登記業務を経験しております。
    その職歴が評価されての採用なのかもしれません。

    仮に、現事務所でクライアントに成りすまして登記業務を行った場合には、所長だけではなく私も処罰されるのでしょうか。

    役員重任登記などの本人確認は住民票があれば対応可能で、顔写真入りの証明は不要だと思うので、とても不安です。

    他の会計事務所での勤務歴もありますが、どこもしっかりと業務線引きはできており、提携している司法書士の方に登記はお願いしていたので、「登記業務といっても書面をお客様から集める程度かな」と思っていたら、まさかの直接従事なので、驚きと不安が隠せません。

    先生のご見解を伺えたら幸いです。
    よろしくお願いいたします。

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  10. 書き忘れましたが、所長は司法書士無資格です。
    所在地を管轄する司法書士会HPを確認しましたが、名前の登録はありませんし、所内に資格取得を示す免許・許可証の類の提示はありません。

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    1. 実際問題として、税理士が懲戒処分を超えて刑事事件として立件される事例はそれほど多くはないですし、さらにそのうえ従業員まで刑事責任を問われるという事例は(実際にはあるのかもしれませんが)聞いたことはないですね。
      (従業員が懲戒処分を受けることはないので、事実上従業員の行為が問題となることはない)

      もっとも、理屈上で従業員の行為に違法性はないかというと、必ずしもそうとは言い切れませんし、悪質性や関与の度合いによっては、刑事事件になる可能性がないとはいえない。

      そこのところをどう判断するか…ですね。

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  11. ご多忙のなか、お返事ありがとうございました。
    さらに質問させてください。

    税理士がクライアントの登記業務に関わる場合、自身では業務を追行する権限がないので、必然的に提携している司法書士の方に依頼することになります。
    ということは、司法書士の方から当該費用に関わる請求書が発行されるはずです。

    この請求書の有無を確認すれば即座に非司法書士行為があったと発覚するはずですが、非司調査ではそこまで行われるのでしょうか?

    「請求書を見せなさい」という権限のあるのは誰だろう・・と思った次第です。
    再び先生のご見解をお聞かせいただきたく存じます。
    よろしくお願いいたします。

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    1. 非司行為は、そもそも登記業務を「やっていない」という建前にしてしまうので、領収書がなくてもおかしくないのです。
      すなわち、非司行為を行う事務所は、「司法書士に依頼した」と言っているのではなく、「本人(会社)が自分で申請している」という形にするわけですから。
      なので、非司行為の発覚の端緒はそこではないですね。


      ちなみに非司調査がどこまで行われるか…については申し上げられませんが、権限がどこにあるかというと、例えば、申請書は法務局に現物がわけですから、その調査権限は法務局にあります。
      (申請受理時の調査とは別途、非司調査として提出された書類は定期的にチェックされる)
      そこで発覚した非司行為について刑事告発されると、今度は刑事手続になりますので、権限は警察に移ります。

      また、例えば非司行為が税理士としての綱紀手続に乗った場合は税理士会にも権限がありますね。
      (依頼者が税理士会に苦情を申し入れた場合とかですね)

      司法書士会が、税理士に対して直接調査する権限はありませんが、司法書士会に情報提供がされた案件であれば、そこから法務局や税理士会、警察に情報が行くことになるでしょうね。

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  12. ご多忙のなか、お返事いただき、ありがとうございました。
    確かに、本人が申請したわけだから、税理士の手元に司法書士報酬の請求書があるわけないですね。

    うーん・・どうしよう・・
    この事務所、なんかキナ臭いです。

    退職、検討します。
    ありがとうございました。

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  13. こんにちは、初めまして。
    地方の司法書士事務所で働いています。
    司法書士補助者歴1年未満です。

    入所当初から、家庭裁判所関係の仕事(特別代理人や不在者財産管理人等)をはじめ、相続登記など、丸投げされてやっています。特に、家裁関係の仕事は、最初から丸投げです。入所前は、パラリーガルのような仕事をしていました。

    能力的にも不安ですし、途中から正社員ですが時給換算すると千円にもなりません。手取りで13万円です。帰宅してからも仕事のことで悩んで、風呂に入る気力もない日々です。割に合わないのと、一事が万事で、他にも先生に利用されているというような感が強くなり、追い詰められています。

    他の事務所に求人応募したところ、面接では『一年以上経って、信頼関係ができた司法書士資格者に丸投げする内容の仕事ですね。』と言われました。
    裁判所との電話でのやり取りもすべて私なので、先方から先生(資格者)だと思われているようです。

    もし、よろしければ、何かアドバイスをいただけないでしょうか。このようなコメント申し訳ないです。

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  14. 追記です。
    何度も、昇給または仕事量を調整するお願いをしましたが、だめでした。入所から一年後に、2万円は上がる予定です。

    私が、来客との相談対応も可能になるよう、*登録するよう迫られていますが、そうすると更に”利用”される気がしてとても悩んでいます。(*他士業の資格を持っています。)

    ”利用されそう”な具体的な杞憂は、例えば、私が保有する資格を、顧客に名義貸しするなどです。以前、登記以来のあった顧客が、●●資格の名義を貸してほしいと依頼してきましたが、先生自身は怪しそうだから断ると言いながらも、『以前の顧客だから無下にはできない。▲さん、やったら?』など言われるのです・・。

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  15. 個別の案件で具体的なアドバイスは差し控えさせていただいております。

    一般論としては、個人の事務所で、所長の考えと合わなければ、転職しても良いのではないでしょうか。
    一般企業と違って、終身雇用を前提に雇われるわけでもありませんし、司法書士事務所にこだわりがなければ、他士業事務所も含めて求人はいくらでもあると思います。

    なお、言うまでもないと思いますが、補助者に丸投げして資格者が業務内容すら把握していないような状態(少なくとも最終的なチェックすらしていないような場合)は、それだけで懲戒対象です。
    ご注意ください。


    ご自身が有する資格で登録する場合、「独立して業務ができるかどうか」が最重要のポイントです。
    所長である司法書士の指示の下(ましてや、第三者に名義貸しをして)業務を行わざるを得ないような状態では、絶対に登録すべきではありません。
    その危惧があるなら、登録は止めておいた方が良いでしょう。

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  16. 岡川様

    お忙しいところ、有難うございました。
    個別の案件で投稿してしまい、御迷惑お掛けしてすみません。

    私の気持ちとしては、司法書士事務所で働き出して、丸投げされるのが大変で辛さもあったのですが、面白くもあり、仕事に興味を持ってきてもおりました。司法書士事務所を第一に、転職活動を進めようと思います。

    所長(資格者)に、随時、業務を報告しているのですが、先生自身の責任感の問題でか関わろうという気持ちが薄く、従業員としては辛いです。懲戒対象となりうると知って、やっぱりと思いました。

    保有資格で登録する場合、「独立して業務ができるかどうか」が最重要ポイントなんですね。
    それがあってこその士業という気もします。こちらの事務所ですと、自分の裁量で仕事ができないばかりか、先生が面倒な仕事をやるというスタンスが続くと思います。

    来月にでも登録し、その分給料を上げるという話になっていますが、もう少し話し合ってみて、危惧が消えないようなら、遠慮したいと思います。

    丁寧に有難うございました。

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  17. 大変参考にさせていただきました。

    「相談」の範囲についてお聞きしたいのですが、
    例えば、個別の事情については法的整序を行わず、法務局HPの該当URLを参考に教えてあげる、
    という行為も「相談」に当たる場合はあるのでしょうか?

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    1. 法務省のHPを教えてあげるだけなら、助言にも何にもなってないので基本的には問題ないと思います。

      ただし、HPの内容を基に相談者の事案にあてはめた説明等をすれば、場合によっては違反になるかもしれません。
      また、URLの教え方も、あまりピンポイントすぎると、「どの部分を参考にすればよいか」の教示自体が内容に踏み込んでいる可能性もあるので、問題ないとは言えないかもしれません。
      (例えば「このページの書式を参考にしてください」と教えた場合、どの書式が当該事例に当てはまるか自体が専門的判断になる場合もありうる)

      そう考えると、「相談にあたる場合があるか」というと「絶対にないとは言い切れない」ですね。

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