2014年10月15日水曜日

官と公

司法書士の岡川です。

役所を表す用語には、色々なものがあります。

官庁、官公庁、官公署・・・などなど。

普通はあまり気にすることはないかもしれませんが、これらをきちんと使い分けていますか?

まず、「官庁」というのは、国家機関あるいはその下の組織をひっくるめた役所を指します。
後者の意味では、「官署」という語と同義ですね。

そのうち行政を担当するのが行政官庁で、内閣や内閣総理大臣、各省の大臣、各庁の長官などのことをいいます。
官署をの意味でいえば、各省庁などが行政官庁です。
法務局も法務省の地方支分部局なので「官庁」です(中央官庁に対して、地方官庁といいます)。

司法を担当するのが司法官庁で、裁判所が司法官庁です。
裁判所も官庁なのです。


他方、地方公共団体の機関のことを「公署」といいます。
都道府県庁や市役所です。

「官庁」に対応させた「公庁」といういい方はあまりしないですね(そんな言葉ないかも)。

で、この「官庁」と「公署」を併せた総称を「官公署」とか「官公庁」といいます。

(「官公署」と「官公庁」の使い分けについてネットで検索してみたら、「官公庁は国の行政庁のことをいう」といった記述が見つかったが、これは誤り。「国の行政庁」を指す語は「行政官庁」です。)

このように、だいたいにおいて、「官」とあれば国のことです。
「官営企業」といえば、運営しているのは国です。

他方、「公」とあれば、国と地方を併せた場合もあれば、地方のみを指す場合があります。
「公営」というとき、地方公共団体が運営するものの場合もあれば、国と地方あわせた公的な主体が運営するもの全体をさすこともあります。

官と公、きちんと使い分ければ、ちょっと世の中の仕組みを知ってるっぽく見えますので、是非明日から使い分けてみて下さい。

では、今日はこの辺で。

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