2013年8月7日水曜日

公益法人

司法書士の岡川です。

ニュースなどで「公益法人」の話題が出ることがありますが、実は今の「公益法人」と数年前の「公益法人」は、別の種類の法人を指します。
続・社団法人と財団法人」でも触れましたが、数年前の公益法人制度改革以前には、民法に「社団法人」と「財団法人」の規定がありました。
この民法の規定に基づき、主務官庁の許可を得て設立される法人のことを「公益法人」といいました。

しかし、民法が改正され、法人に関する規定の大部分がごっそりと削除されたため、公益法人の設立に関する規定は民法に存在しません。
現行法における「公益法人」とは、民法に基づく法人ではなく、「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」に基づいて設立されて、「公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律」に基づいて公益認定を受けた法人(公益社団法人と公益財団法人)のことをいいます。

改正前の公益法人は場合は、「主務官庁の許可」によって設立されていたのですが、現行法では、設立自体は簡単にできます。
ただし、一般社団法人または一般財団法人として設立され、その後、一定の要件を満たせば、公益認定を受けて公益法人になることができる、という仕組みになっています。
公益認定を行うのは、複数の都道府県にまたがって活動するような法人については内閣総理大臣で、それ以外は都道府県知事です。

なお、法人税法等の法律で「公益法人等」と規定されていることがありますが、そこには公益法人以外の法人も含んでいます。
法律の条文で、「等」が付くか付かないかで全然意味が変わってきますので、条文を読むときは一字一句に気をつけて読みましょう。

では、今日はこの辺で。

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