2014年4月2日水曜日

不動産の数え方

司法書士の岡川です。

日本語の難しいところのひとつに、物の単位(助数詞)がたくさんあるということです。
自動車は「台」、六法全書は「冊」、仏像は「柱」や「座」、カピバラは「匹」などなど。

まあ、大抵の場合、間違っても意味が通じるから問題ないですね。


ところで、不動産の単位をご存知ですか?

まず、建物の単位は「個」です。
普通ですね。

注意していただきたいのは、不動産の「個数」というのは、登記簿に基づいて数えられるということです。
したがって、ひとつの家屋だと思っていても、登記簿上2個の建物に分かれている場合、それは「2個の不動産」ということになります。
固定資産税の納税通知を見たら、「家は1軒しか持ってないのに、2個の建物の固定資産税を請求されている!」とか、疑問に思った経験がある方もいるかもしれません。
それは、登記簿上、建物が2個だったということです。

逆に、ひとつの部屋を借りて住んでいたとしても、登記簿上、その部屋が1個の建物として独立して登記されていなければ、その部屋は「1個の建物の一部」としか数えられません。

登記簿上の個数ではなく、「家屋」単位で数える場合の単位は、「戸」(こ)という単位もあります。
これは、税法や行政手続などで出てきますが、それ以外では、建物は、一般的には登記簿に基づいて数えるので、「何戸」というのはあまり使われないですね。

それから、マンションなんかでは、建築物全体を数える単位を「棟」といいます。
建築物全体が登記簿上も1個の建物であれば、1棟の建物=1個の建物ということになりますね。


では、土地はどう数えるでしょうか。

土地の単位は、「筆」(ひつ)です。

土地の単位も登記簿上の区分に基づきますので、1筆の土地の上に2個の建物が建っていることもあれば、2筆の土地の上に1個の建物が建っていることもあります。
「ひとつの広い土地」だと思っていても、登記簿上は細かく分かれていれば、「10筆の狭い土地の集まり」であるかもしれません。

土地というのは、どこまでもつながっているもので、どこからどこまでを「1筆」とするかは、あくまでも記録上「ここからここまでがひとつのまとまり」と決めるだけです。
したがって、数筆の土地をまとめて1筆の土地にまとめる(合筆)こともできるし、大きすぎる土地を数筆に分割する(分筆)こともできます。


というわけで、建物の数え方は「1個、2個・・・」で土地の数え方は「1筆、2筆・・・」です。
覚えておくとどこかで役に立つかもしれません。


では、今日はこの辺で。


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