2014年9月4日木曜日

ペットの相続

司法書士の岡川です。

前回、動物は権利の主体にはなりえない(少なくとも現行法上は)という話をしました。
ついでなので、動物が権利の主体でないことの当然の帰結として、ペットに遺産を相続させることもできません。

遺産を相続するということは、被相続人の権利義務を承継するということを意味しますから、権利を承継できない動物(ペット)に相続させることができないのは当然なのです。

もちろん、遺贈することも贈与することもできません。

そして、動物が被相続人が飼っているペットであるなら、権利を承継するどころか、ペット自身が承継される財産権の客体となります。
つまり、他の預貯金とか不動産とかと同列でペット自身が遺産になるということです。

さて、そうなると、身寄りのない人の場合や、家族が動物嫌いの場合、自分の死んだ後のペットの生活が心配になります。
信頼できる人に譲るなどの手段を考えるしかありません。


直接的にペットに財産を相続させることはできませんが、「自分の遺産をペットのために使わせる」ということは可能です。
つまり、特定の信頼できる相手に財産を譲渡したり預けて、その使途を指定しておくのです。

方法としては、負担付贈与とか信託とか、いくつかの枠組みが考えられます。

これで、疑似的にペットに遺産を相続させる(ような形にする)ことが、ある程度可能です。


本気でペットの相続について検討したい方は、お近くのペット相続に詳しい専門家にご相談ください。
誰が専門家なのかは、わかりません。

では、今日はこの辺で。

この記事が「面白い」「役に立つ」「いいね!」「このネタをパクってしまおう」と思ったら、クリックなどしていただけると励みになります。
↓↓↓↓↓

※ブログの右上に、他のランキングのボタンもあります。それぞれ1日1回クリックできます。

0 件のコメント:

コメントを投稿