こんな記事がありました。
「出資」と「増資」その違いとは?
ここでは、このように説明されています。
出資:創業期の資金を確保するため、株を発行して資本金を集める
増資:成長期の資金を確保するため、新株を発行して資本金を増やす
これは間違いですね。
「厳密にいうと間違い」とかいうレベルでなく、明らかに間違い。
というのも出資と増資の違いは、創業期か成長期かの違いではなくて、その用語が示している中身が全く違うからです。
話をわかり易くするために、会社の話に限定しますが、出資というのは、主に資本金に充てるために会社に資金を提供することをいいます。
株式会社の場合、出資と引き換えにその会社の株式を取得することになり、出資者=会社構成員=株主となります。
持分会社の場合は、「社員」(会社員ではなく、会社構成員)となります。
したがって、創業期に限らず、会社成立後に新たに株式を発行する場合に対価として資金を払い込むのも出資です。
これに対し、増資というのは、一般的には出資された金銭等をもとに「資本金」を増額することをいいます。
「資本金」というのは、会社会計の「計算上の値」ですので、出資をしたからといって全額資本金になるわけでもなければ、資本金が増額したからといって必ずしも出資されたとは限りません。
「企業が新たな株式を発行するなどして、資本金を増やす」という増資の説明は間違ってはいないのですが、それと対比された出資の説明が間違いです。
会社設立時の最初の資本金を形成するために資金を提供するのは、確かに出資です。
しかしそれだけではなく、増資のために資金を提供するのも出資なのです。
出資金をもとに資本金を増やせば、増資ということになります。
ざっくりいえば、
資金を提供するのが出資で、出資されたお金で資本金の額を増やすのが増資
ということになります。
前掲の記事で、増資と融資の違いも解説されています。
大まかには間違っていませんが、「増資は、将来的な利益を期待された資金提供であるという意味で出資と共通する部分が多い」という部分はおかしい(どうおかしいかは上記のとおりです)ので、そこは読み飛ばしておきましょう。
では、今日はこの辺で。
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