2014年12月3日水曜日

「経過する日」と「経過した日」

司法書士の岡川です。

だいぶ前に期間の計算の話をしましたが、これに絡んで条文の表現の厳密な意味について解説しておきます。

まず「達する日」と「達した日」というのは、どちらも同じ意味です。
「20歳に達した日」というのと、「20歳に達する日」では同じ日を指します。
具体的には、「20歳の誕生日の前日」を指します(参照→「年齢計算の方法」)。

両者は、その条文が規定する内容がその日より前なのか後なのかによって表現が変わっているだけです。


これと似たような表現で、「経過する日」と「経過した日」というのがありますが、この2つは指し示す日が異なります。

例えば、12月1日を基準にして1週間の経過を考える場合、(初日不算入で)2、3、4、5、6、7、8日の24時でちょうど1週間です。
この時点を一瞬でも越えると「経過」となります。

このとき、「1週間を経過する日」というのは「12月8日」のことをいいます。

そして、これを経過した後の日である「12月9日」が「1週間を経過した日」ということになります。

「12月8日24時」だと「経過する日」に含まれる時刻ですが、「12月9日0時」となると「経過した日」の時刻だということになります。



では、今日はこの辺で。


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