2013年9月12日木曜日

登記はどこでするのか

司法書士の岡川です。

「登記」制度の基礎知識第2弾です。
前回は、登記とは何かを説明しました。
登記とは、法律で定められた一定の事項を公示しておく制度です。

民法を学んだ方は、登記という制度自体は知っていたかと思います。
例えば、「不動産登記」が出てくるのは、民法177条あたりですね。
大学の法学部などでは、比較的早い段階(1年生くらい)で習う内容です。

今日は、その登記が実際にどこでされるのか、という話です。

登記は「登記所」でされます。
そのまんまですね。

登記簿は管轄の「登記所」におかれています。
が、実務上、まず「登記所」とは言いません。
なぜなら、「登記所」という名の役所は存在しないからです。

現在の日本における「登記所」は、「法務局若しくは地方法務局若しくはこれらの支局又はこれらの出張所」のことです。
面倒なので、地方法務局のことも支局のことも出張所のこともひっくるめて「法務局」といったりします(厳密には違うのですが)。
なので、簡単にいえば「登記所」とは、法務局のことです。
というわけで、登記を申請したり登記簿謄本(登記事項証明書)を取得したりする場合は、法務局に行けばよいということになります。

この「登記所」ですが、実は、かつては登記は裁判所(当初は治安裁判所、裁判所構成法施行後は区裁判所)の所掌事務でした。
法務局が登記所になったのは、戦後の話です。

「"司法"書士が、なんで行政機関である法務局の登記を専門としているの?」というハイレベルな疑問を持っていた方(いるのか?)、その答えは、「もともと登記は司法機関の手続きだった」ということなのですね。

登記の基礎知識シリーズはまだ続きます。

では、今日はこの辺で。

登記の基礎知識シリーズ
登記とは何か
・登記はどこでするのか ← いまここ
登記簿には何が載っているか?
公示の原則
公信の原則
権利書の話
登記識別情報の話

0 件のコメント:

コメントを投稿