2013年12月1日日曜日

司法書士による犯罪被害者支援

司法書士の岡川です。

平成16年12月1日、犯罪被害者等基本法が成立しました(12月8日公布、翌年の4月1日に施行)。
そこで、11月25日から12月1日までの1週間が、内閣府により「犯罪被害者週間」と定められています。

今日は、その成立日であり、犯罪被害者週間の最終日です。

司法書士は、法務局における手続き(登記供託)や、裁判所提出書類作成、簡易裁判所による民事訴訟手続きなど、基本的には、民事事件に関する司法手続きに関与する資格です。
ただし、「裁判所に提出する書類」というのは、別に民事訴訟手続上の書類に限定されていませんし、検察庁に提出する書類作成も司法書士の独占業務のひとつとして規定されています(簡裁訴訟代理は、民事限定ですが)。
これらは、簡裁訴訟代理業務などより歴史の古い伝統的な業務です。

具体的には、告訴状や告発状の作成、検察審査会への審査申立書作成、新しい制度としては刑事訴訟における損害賠償命令申立書作成などが想定されます。
つまり、あまり主要な業務ではありませんが、刑事事件への関与も、全くの専門外というわけではありません。
もっといえば、犯罪の被害回復という意味では、刑事手続ではなく民事事件として扱われるものですので、これは完全に司法書士の業務(本人訴訟支援や関西訴訟代理)となります。

もちろん、犯罪の嫌疑をかけられた人(被疑者や被告人)の側に付いてその人権を擁護する「弁護人」の立場につくことは、完全に弁護士のみに認められた業務です。
その一方で、被害者の側について、社会に潜んでいる犯罪被害を司法手続に乗せたり、犯罪被害者の権利擁護を図ることは、日本の司法制度の一翼を担う司法書士に課せられた責務でもあります。
これが司法書士の責務である根拠としては、上記のような業務が司法書士の独占業務として規定されている司法書士法のほか、総合法律支援法において「弁護士及び弁護士法人並びに司法書士その他の隣接法律専門職者」に「総合法律支援の実施及び体制の整備のために必要な協力をする」努力義務が課せられています。


というわけで、大阪司法書士会でも犯罪被害者支援対策に取り組んでいて、今日(平成25年12月1日)は、犯罪被害者週間最終日に合わせて、犯罪被害を対象とした無料電話相談会をやっています(今更ですが、告知)。

犯罪被害に遭われた方、その危険がある方、その他犯罪被害について相談がある方は、06-6941-1000までお電話どうぞ(このダイヤルは本日午後6時までです)。(終了しました)

では、今日はこの辺で。

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