テレビで、「過保護な親が増えている」といった特集がありました。
大学受験とか就活に親がついてくるとか、婚活に親が出てくるとか、そういう親が増えているんだそうです。
まあ、「修学旅行に親がついてくる」というのは、過保護とかいうレベルを超えていると思いますが、「過保護」といわれているものでも、それなりに理由があるんじゃないかと思うものもあります。
「就活に親が」といっても、さすがに、面接についてくるというのは少数でしょう。
そういうのは、まあ、過保護なんでしょうね。
ただ、今の就職難のご時世、自分の子が今どういう状況にあるのか、どう接していけばよいのか、といったことを知るための「親向けのセミナー」とかいうのがあるみたいですが、それはそれで別にあってもいいように思います。
というか、「過保護」とはまた次元が違うように思いますね。
大学受験は、例えば、大阪から北海道に受験に行くのについていくとか、車で送っていくとか、それなりに合理的な理由があるように思います。
万全の態勢で受験に臨んでほしいという親心は分からなくもない。
普通に電車で行ける会場についていくのは、過保護かもしれないです。
あえて取り上げられるということは、こういう事例が増えているのでしょうかね。
婚活に親が・・・ってのは、昔から「お見合い」というものがありまして、結婚相手を探すのに親が出てくるのは今に始まったことじゃないように思います。
ネーミングが変わっただけですね。
まあ、この辺までは、やりすぎたら過保護といえるのかもしれませんが、「部屋探しに同伴する」というのを、「過保護」というのは、おかしい。
とりあえず、大学進学時を想定すると、多くの子供が未成年(18歳くらい)です。
部屋を借りるというのは、「建物賃貸借契約を締結する」という立派な契約行為(法律行為)です。
未成年者は制限行為能力者なので、契約をするには、親権者が代理するか、親権者の同意が無ければいけません。
すなわち、部屋探しにおいて親というのは、当事者なわけです。
親権者が部屋を借りる際に代理又は同意するのは、親権の行使にあたるわけですが、親権というのは、親の「権利」であり、「義務」でもあります。
これは、自己の子を監督し、保護する法律上の義務です。
したがって、親が「全部子に任せる」というのは、法律上の義務の放棄していることになります。
過保護どころか、保護すべきことが法律上要請されているといえます。
さらに言えば、賃貸借契約を締結するには、連帯保証人を求められることも多い。
親が連帯保証人になることも少なくないでしょう。
その場合、連帯保証契約を締結するのは親自身なので、これも親が契約当事者になります。
契約当事者が契約相手を一緒に選定するのは、当然の話といえます。
そう考えると、「部屋探しを一緒にすること」が過保護だという批判は全くあてはまらないですね。
本人が本人の責任ですべきこと(例えば、就活とか受験とか)に親が過度に関わることは過保護だといえるかもしれませんが、少なくとも、成人するまでの「子の財産の保護」は、親権者の責任で行うべきことです。
これは、過保護ではないと思います。
では、今日はこの辺で。
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