2014年5月15日木曜日

水道汚染罪

司法書士の岡川です。

水道に使われる水を汚すことが悪いことだというのは、少し考えればわかることだと思いますが、当然犯罪です。

「泳ごう」と水道用貯水槽にボート浮かべた少年
兵庫県宝塚市の水道水用の貯水槽で昨年5月、レジャー用ボートが見つかった問題で、宝塚署は14日、同市の無職少年(17)を建造物侵入と水道汚染の疑いで逮捕した。

水道汚染罪は6月以上7年以下の懲役ですので、これは、過失運転致死傷罪(昔でいうところの自動車運転過失致死傷罪、さらに昔でいうところの業務上過失致死傷罪)よりちょっと重いくらいの罪です。
まあまあの重罪ですね。
建造物侵入と合わせれば、最高で懲役10年です。

多くの人が口にする可能性のある水を汚染すると、多大な健康被害をもたらす危険がありますので、厳しく禁じられているわけです。

条文上「使用することができないようにした」ことが求められていますが、これは、水質が基準値を下回るところまで汚染する必要はなくて、生理的・心理的に使用できなくなるような場合も含みます。
例えば、大きな貯水槽に誰かが放尿したところで、水質のレベルとしては全く問題ないでしょうが、この場合も「使用することができない」に該当すると解されています。

一般的に、人が泳いだ水を飲料水にするのも躊躇われるでしょうから、同罪が成立するものと考えられます。


水道汚染罪は、マイナーな犯罪類型ではありますが、常識的に考えてダメなものは、だいたい法律でもダメなものです。

では、今日はこの辺で。


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