2014年5月19日月曜日

葬儀関係費(交通事故の損害各論)

司法書士の岡川です。

交通事故の損害項目の各論第3弾です。

交通事故被害者が死亡した場合も、遺族が損害賠償を請求することが可能です(前回の記事参照)。

このとき、被害者の葬儀費用を損害として請求することは可能か、という議論があります。
何故これが議論になるかというと、人は交通事故に遭わなくてもいつか必ず死ぬので、遅かれ早かれ葬儀費用は必要になるからです。

そう考えると、葬儀費用は「交通事故による損害」とはいえないような気もしますが、判例・実務は、これを損害として認める扱いになっています。
なお、損害額として認められるのは上限150万円程度で、実際に支出した額がそれ以下だと、実際の支出額というふうにほぼ定額化されています。
さらに、墓石代や仏壇購入費なども損害として認められることがあります。


なぜこれらの費用が「交通事故による損害」になるのか、理屈の上では理解しがたいところです。
例えば、一種の慰謝料的な意味が含まれている、というふうに一応説明されることもありますが、それなら端的に慰謝料に含めればよいので、あまり説得的ではありません。

結局のところ、この辺はもう理屈じゃない部分なのでしょうね。


では、今日はこの辺で。

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交通事故の損害シリーズ
1.交通事故による損害
2.交通事故による損害の分類
3.交通事故の損害項目
4.治療関係費(交通事故の損害各論)
5.入通院の費用(交通事故の損害各論)
6.葬儀関係費(交通事故の損害各論) ← いまここ
7.休業損害(交通事故の損害各論)
8.交通事故の慰謝料(交通事故の損害各論)
9.逸失利益(交通事故の損害各論) 

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