交通事故の損害項目の各論第2弾です。
入院雑費
交通事故で怪我をして、入院することになると、治療費以外にも何かとお金が必要です。寝具、衣類、電話代、テレビ料金、などなど、入院するだけで無駄な出費がかさみます。
こういった出費も、事故に遭わなければ必要のなかったものなので、損害として認められます。
しかし、これらの細々した支出(「スリッパ105円」とか)について、全部レシートをとっていちいち請求するのは手間がかかります。
そこで、実務上は、定額で損害として認められる扱いになっています。
裁判所が損害額として認定する額は、1日当たり1,500円くらい
10日間入院すれば、「何にいくら使った」を細かく立証することなく、「10日間で15,000円の損害」というふうに決められます。
ただし、加害者側の保険会社が示談の額として提示してくるのは、1日あたり1,100円くらいです。
入院期間が長くなるほど、この差は大きくなります(100日の入院で4万円ほど)ので、保険会社の提示額で示談するかは検討しないといけません。
交通費
入通院した場合、多くの場合、交通費がかかります。交通費も、怪我をしなければ必要のない出費なので、損害に含まれます。
これは、定額で決めることもできないので、実費相当額を算出(電車やバスの料金)することになります。
タクシー代は、基本的には認められません(バス代等に換算する)が、必要性があれば認められることがあります。
自分の車で運転して通院した場合は、ガソリン代を支払ってもらうことになります。
ケースバイケースにはなりますが、基本的に、見舞いや付き添いの人の交通費は損害には含まれません(次の付添看護費に含む)。
付添看護費
入通院する場合の介護・介助のため、付添人を依頼することがあります。医師の指示がある場合や、病状などに鑑みて、付添人の必要性が認められると、そのための費用が付添看護費として損害となります。
専門の職業付添人に依頼すると報酬を支払わないといけないので、支払った費用が損害になります。
職業付添人に依頼せず、近親者が付き添うと、報酬を支払うことは無いでしょうが、本来は報酬が発生することを近親者にさせている以上、不利益は生じているとして、裁判所は、この場合も損害を認める扱いをしています。
実際に近親者にその額を支払ったかどうかは問いません。
近親者の付添看護費として裁判所が認めるのは、通院1日3,000円くらい、入院1日6,000円くらいです。
もっとも、看護体制がきちんとした病院で、ただお見舞いで付き添っているだけでは、損害として認められることはありません。
きちんと付き添いの必要性(医師の指示等)は証明する必要があります。
このように、細かいことですが、交通事故で怪我をすると、治療費以外にも損害は発生しており、それらもきちんと損害として考慮されます。
加害者と交渉するときや裁判所に訴えるときは、「請求し忘れ」にご注意ください。
では、今日はこの辺で。
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交通事故の損害シリーズ
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