2017年5月25日木曜日

今話題の債権法改正

司法書士の岡川です。

なんと、5月も終わろうとしているのに今月はまだ1件も投稿してませんでした。
なんてこったい。

ストックしていたネタが枯渇気味であるところに、会務等が重なっており、なかなかブログの方まで手が回っておりません。
うーむ。


さて、気を取り直して。
法律マニア業界で今最もホットな「ネタの宝庫」は債権法改正でしょう。
ネタ枯渇気味の当ブログとしてもこれを取り上げない手はありません。

現在、長年議論されてきた債権法関連の民法改正法案が衆議院を通過して、もうそろそろ成立しそうなところまできています。

厳密にいうと、改正されるのは債権法だけではないので、「債権法改正」というのは正しくないと思いますが、わかりやすいから債権法改正ということにします。
「民法(債権関係)改正」みたいな表記もされますが、「かっこさいけんかんけい」とか言いづらいですし。


「債権法」というのは、「債権法」という名前の法律があるわけではありません。
これは法律(もっと絞れば私法)の分野のひとつであり、文字通り「債権」に関する法を債権法といいます。

俗に「民法は私法の一般法」とよばれるように、民法には、私法領域において原則的に通用するルールが定められています。
民法(私法)全体の共通事項である総則や、所有権等の物権に関する法である物権法、身分関係や相続関係を規律する親族法や相続法も、全て民法の中に(原則的な)規定が存在します。
民法(私法)の一分野である債権法についても、基本的な事項は、「民法」という法律(の特に債権編)に規定されています。

今話題の「債権法改正」というのは、主に民法の「第3編 債権」部分を改正することを指します。

ということで、民法の債権編を中心とする改正ではありますが、改正対象は総則部分にも及んでいます。
民法総則には、債権法にも共通するルールを規定している(総則部分にも債権に関するルールが存在する)からです。


現行民法(特に、親族・相続法を除く「財産法」とよばれる部分)は、明治時代に作られて以来、それなりに大きな改正も含めて、たびたび改正がされてきたものの、実はその基本的な枠組みはあまり変わっていません。
まあ、私人間(繰り返しですが「わたし-にんげん」ではなく「しじん-かん」)の法律関係を規律する基本的な(大まかな)ルールなので、そうコロコロと抜本的に変わることはないわけです。

それが今回の改正で大きく変わることになります。
「明治以来の大改正」とかいわれるのはそのためです。

「明治時代に作られたルールなので、今の時代にあっていない」ともよく言われますが、時代に合わせた細かいマイナーチェンジは何度もされていますし、また、全てのルールが民法だけに定められているわけではなく、多数の特別法が存在しています。
そのため、別に「明治時代にしか通用しないルールがそのまま残っているから変える」というより、長年蓄積されてきた多くの課題をこの機会に一気に立法的に解消しようという感じでしょうか。

なので、文言が変わるだけで、民法が定めている「ルールの中身」は実質的に変わらないことも多くあります。
確立した判例を条文上明記しただけの修正とかですね。

他方で、明確にルールが変更されている部分もありますので注意が必要です。


実質的な変更がされていない部分も含めれば膨大な改正になっておりますので、全部網羅するには結構時間がかかります。

「ちょうど一通り民法の勉強が終わったところ」という皆さんには、もう同情するしかないわけですけど、頑張って勉強し直しましょう。
今から勉強を始める皆さんは、改正のことも念頭に置いて勉強されると良いですね。

というわけで、債権法改正のネタもちょくちょく挟みつつ、ブログの更新も頑張ります。

では、今日はこの辺で。

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